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眼科

眼科(Ophthalmology)

 わが国では高齢人口が急速に増加し、それに伴い視覚障害をきたす眼科疾患も増えて大きな医療・社会問題となっている。視覚障害の発生と重症化の予防策を講じるには、地域住民中の視覚障害の実態を把握しその危険因子を明らかにする必要がある。われわれは、久山町の地域住民を対象とした健診に基づく前向きコホート研究において、疾患と環境要因との関係を系統的に解析して種々のリスクに応じたより効果的・定量的な予防法を構築し、視覚障害の予防的治療に結びつけることを目的として研究を行っている。具体的には、わが国の視覚障害および失明の主な原因となっている眼科疾患(加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、近視、網膜静脈閉塞症など)の有病率を明らかにするとともに、その発症にかかわる危険因子、防御因子を包括的な健診成績を用いて検討している。その結果、加齢黄斑変性がわが国で急速に増加しており、喫煙や炎症(白血球数の増加)が危険因子であることを見出した。また糖尿病網膜症は現在の診断基準値よりも低い空腹時血糖値116mg/dlから発症し、抗酸化物質である血中のビリルビンによって糖尿病網膜症の発症が抑制されることも明らかにした。また、わが国の地域住民における近視性網膜症の有病率は1.7%で、女性の方が男性より高く、加齢および眼軸長の増加とともに上昇することを報告した。

 今後もさらに研究を継続し、眼科分野におけるわが国のエビデンスの形成に貢献したいと考えている。


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