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福岡県久山町と九州大学では、60年以上にわたり脳卒中・心疾患・がん・高血圧・糖尿病・認知症などの生活習慣病の原因究明と予防に努めてまいりました。この健康管理のあり方は「ひさやま方式」と呼ばれ、国内外の高い評価を受けています。「ひさやま方式」の健康管理とは、健診を受けられた方々の追跡調査や不幸にして亡くなられた方の剖検のデータを集め、それを徹底的に調べて生活習慣病の原因や予防法を明らかにし(疫学調査)、その情報をまた健診の場で住民の皆様にお返しして健康管理に役立てる久山町独自の方法です。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年6月30日までですが、将来にわたって研究を継続する際には改めて倫理審査を受け、研究期間を延長する予定です。
この疫学調査の目的は、脳卒中・心疾患・がん・高血圧・糖尿病・認知症などの生活習慣病の原因や予防法を明らかにすることです。具体的には、久山町の健診を受診された方が、どのような病気を持っておられるかを調査し、さらに将来、不幸にして病気になられた際にはどのような病気が生じたのかについて追跡調査を行います。これらの情報を組み合わせて検討することにより、生活習慣病の原因を突きとめ、その予防法を明らかにし、久山町の住民の皆様のみならず日本国民全体の健康に寄与することを目指しています。
福岡県久山町で毎年実施している生活習慣病予防健診および5〜7年ごとに実施している高齢者調査(脳ドック検診)を受診された住民の皆様全員を対象とします。研究の対象者となることを希望されない方(またはご家族など代理人の方)は、研究事務局までご連絡ください。
この研究では、生活習慣病予防健診および高齢者調査(脳ドック検診)で実施する全ての検査・診察・アンケートで得られる情報を利用します。また、同意が得られた場合には、健診で収集した生体試料(血液・尿)の一部を保存し、研究のために活用します。さらに、病気になられた際には医療機関から診療記録、検査データを取り寄せ、どのような病気が生じたのかについて調査します。必要に応じて法律上の手続きに則って、各市区町村へ住民票照会を行い、現住所および健康状態について確認させていただく場合があります。不幸にしてお亡くなりになった場合には、ご遺族の承諾を得て剖検を実施させていただく場合があります。剖検では、死因を詳しく調べるとともに、心臓、脳、腎臓、膵臓など全身の諸臓器の病変について評価を行います。以上の情報を組み合わせて検討することにより、生活習慣病の原因を突きとめ、その予防法を明らかにする研究を行います。
久山町研究では、収集した情報を共同研究機関に送付し、他の研究機関が収集した情報と統合して解析する共同研究(統合研究)を行っています(2022年3月現在)。
また、2002年、2007年、2012年、2017年の生活習慣病予防健診で収集した試料(血液・尿)を他の研究機関に送付して詳しい分析を行い、病気の原因や診断法を解明するための共同研究を行っています(2022年3月現在)。
さらに、下記の共同研究機関との間では、健診で収集した情報や資料の提供を伴わない形での共同研究を行っています(2022年3月現在)。
共同研究機関が追加となる場合には改めて倫理審査を受け、ホームページにてお知らせします。なお、他の機関への試料・情報の送付を希望されない場合は送付を停止いたしますので、研究事務局までご連絡ください。
研究対象者の試料(血液・尿)および臨床情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います(匿名化)。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、久山町ヘルスC&Cセンター内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野・教授・二宮利治の責任の下、厳重な管理を行います。研究対象者の試料(血液・尿)および臨床情報を他の共同研究機関へ送付する際には、九州大学にて匿名化を実施した後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究において得られた研究対象者の試料(血液・尿)・情報等は、原則としてこの研究のためのみに使用します。久山町研究は将来にわたって継続して実施する予定ですので、現時点では試料・情報を廃棄する予定はありません。ただし、久山町研究が終了となる場合には、研究責任者(九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野・教授・二宮利治)の責任の下、試料は5年間、情報は10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
一方で、産学連携を進めた場合、研究対象者の利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
本研究に関する必要な経費は文部科学省科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金、日本医療研究開発機構であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092−642−5082)
この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
この研究は以下の体制で実施します(2022年3月現在)。変更となる場合には改めて倫理審査を受け、ホームページにてお知らせします。
研究実施場所(分野名等) | 九州大学大学院医学研究院 衛生・公衆衛生学分野、附属総合コホートセンター 久山町ヘルスC&Cセンター |
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研究責任者 | 九州大学大学院医学研究院 衛生・公衆衛生学分野 教授 (医学研究院 附属総合コホートセンター 教授(兼任))二宮 利治 |
研究分担者 |
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施設名 | 研究責任者の職名・氏名 | 役割 |
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@福岡県糟屋郡久山町 | 町長 西村 勝 | 健診の実施・研究支援 |
A公益社団法人久山生活習慣病研究所 | 代表理事 清原 裕 | 研究支援 |
B中村学園大学栄養科学部栄養科学科 | 准教授 内田 和宏 | 情報の収集・解析 |
C東京大学医学部附属病院糖尿病代謝内科 | 名誉教授 門脇 孝 | 解析 |
D滋賀医科大学NCD疫学研究センター | 特任教授 上島 弘嗣 | 解析 |
E慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学 | 教授 岡村 智教 | 解析 |
F英国Imperial College臨床薬理学 | 教授 Peter Sever | 解析 |
G東京医科歯科大学眼科学 | 教授 大野 京子 | 解析 |
H鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科 | 教授 井上 博雅 | 解析 |
I弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学 | 名誉教授 奥村 謙 | 解析 |
J東京医科大学循環器内科 | 名誉教授 山科 章 | 解析 |
K独国ハンブルグ大学心臓血管センター | 教授 Stefan Blankenberg | 解析 |
L慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 | 教授 伊藤 裕 助教 稲石 淳 |
解析 |
M神戸大学大学院医学研究科循環器内科学 | 教授 平田 健一 | 解析 |
Nシスメックス株式会社中央研究所 | 所長 吉田 智一 | 解析 |
O株式会社久留米リサーチ・パーク | 代表取締役社長 石丸 茂夫 | 研究支援 |
P国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 |
部長 浅原 哲子 | 解析 |
Qサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 | 事業責任者 福井 宣之 | 解析 |
Rサントリー食品インターナショナル株式会社 | 事業責任者 沖中 直人 | 解析 |
S熊本大学大学院生命科学研究部分子遺伝学分野 | 教授 尾池 雄一 | 解析 | ㉑デンカ生研株式会社研究開発センター | センター長 権平 文夫 主幹 伊藤 康樹 |
解析・研究支援 |
㉒株式会社LSIメディエンス メディカルソリューション推進部 |
部長 田辺 和弘 | 解析・研究支援 |
㉓持田製薬株式会社メディカルアフェアーズ部 | 部長 長尾 弘 | 研究支援 |
㉔株式会社DeNAライフサイエンス | 代表取締役社長 瀬川 翔 | 開発・研究支援 |
㉕DeSCヘルスケア株式会社 | 代表取締役社長 瀬川 翔 | 開発・研究支援 |
㉖シンガポール眼科研究所 | 教授 Tien Yin Wong | 解析 |
㉗大阪大学大学院医学系研究科 視覚情報制御学寄附講座 | 特任教授 川崎 良 | 解析 |
㉘米国タフツ大学Friedman School of Nutrition Science & Policy | 教授 Dariush Mozaffarian | 解析 |
㉙豪州ニューサウスウェールズ大学 Centre for Health Brain Aging | 教授 Perminder Sachdev | 解析 |
㉚国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 脳機能イメージング研究部 | 医長 徳田 隆彦 | 解析 |
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。